7月3日  金曜日



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都議選告示日。さすがに「東京に五輪を」などと叫ぶ候補者は絶無だろうね。(哲


as the days go by _sekihan_

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蝦名石蔵

長持のやうなものくる蟻の道

邨は名所旧跡に案内されると、絶景を見ないで、よくしゃがんで野草や蟻などを見ていたらしい。その場所を歩いた故人や先達に向ける思いも、その地の霊や自然に対する挨拶も、そういう態度が俳句というものの性格の歴史的な成り立ちに関わるという理解は間違ってはいまいが、その名のもとに図式的、通俗的な「挨拶」になっては一個の作品として生きてこない。その地、その場、その瞬間に生きて息づいているもろもろと「私」との一回性の出会が刻印されるのが「挨拶」の本意であろう。いわゆる「蟻」というものではないその日その瞬間に見たただ一個の蟻を通して、作者は他の誰でもない「自分」というものを確認しているのである。『遠望』(2009)所収。(今井 聖)





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  July 022009

澤 好摩

昼寝覚め象にあたまを跨がれて

寝は20分ぐらいが限度でそれ以上寝るとかえってだるくなる。と、どこかで読んだ覚えがある。そうは言ってもついとろとろ寝てしまい、気づいたときには夕暮れといっただらしなさ。象にあたまを跨がれた経験を持つ人はそうはいないだろうが、その圧迫感、恐ろしさは想像するにあまりある。灰色の象はその大きさが童話的に語られがちだが、その重量感を違った角度で描き出している。まわりの音は聞こえているのに身体が重くて、なかなか起き上がれない。ようやく目覚め、しばし現実を把握できぬまま手足を投げ出してぼうっと天井を見上げている。その有様が象に踏みつけにされるのを逃れたあと大地に仰向けになっている人を想像させる。危険が過ぎ去ったあとの放心も昼寝覚めに似た味わいかもしれない。現実と夢が交錯する曖昧な気分を象の重量感とともに言いとめている。『澤好摩句集』(2009)所収。(三宅やよい)



July 012009

寺山修司

わが夏帽どこまで転べども故郷

帽には、麦わら帽、パナマ帽、登山帽など各種あるけれど、夏の帽子のなかでもこの句にふさわしいのはいったい何だろうか? 故郷へ転がるのはやはり麦わら帽か。夏帽が他でもない故郷へと転がるあたりが、いかにも寺山節であり、寺山の限界でもあったと言っていいかもしれない。中七・下五のイレギュラーな調べが意識的に逆に活かされている。転がれど転がれど、行き着けない故郷。この場合、故郷をあっさり「青森」などと解釈してしまうのは短絡である。寺山は「故郷」という言葉をたくさん用い、多くの人がそれを論じてきたけれど、塚本邦雄がかつて指摘した言葉が忘れがたい。「彼の故郷が田園、あるひは日本もしくは韻文、定型、その呪文性を指すことは自明である」というのだ。もちろん異論もあるだろう。詩歌に限らず演劇、映画、小説……そして競馬さえも、彼にとっては故郷だったと思われる。故郷に向かって夏帽は転がる。仮に行き着けたにしても、もはやそこは彼の安住の地ではない。だから、とどまることなく転がりつづけ、走りつづけたのである。寺山の初期(高校時代)歌篇に、よく知られた「ころがりしカンカン帽を追うごとくふるさとの道駈けて帰らん」という傑作がある。掲出句との類想は言うまでもない。晩年の寺山修司は、俳句への意欲を語ることがあったけれど、さて存命だったらどんな句を作ったか? 没後25年にまとめられた未発表短歌には、期待を裏切られたという声が少なからずあったけれど。『寺山修司コレクション1』(1992)所収。(八木忠栄)


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