7月28日  月曜日



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病気ではないかと思うくらいに眠い。暑さのせいだ。もう勘弁を。(哲


as the days go by _sekihan_

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矢島渚男

皆遠し相撲取草を結ばずに

いていの人は「相撲取草」の名前も知らないし、知ろうともしないと思うが、この草は茎が強靭なので、昔の子供たちはこの茎を輪のように結んでお互いに引っ張り合い、勝負を競ったものだ。ある程度の年齢以上の人たちにとっては、そぞろ郷愁を誘われる雑草である。いまではすっかりこの遊びもすたれてしまい、もう子供ではない作者も、この草を結ばなくなってから久しい。炎天下に逞しく生えている相撲取草を眺めるともなく眺めていると、小さかったころいっしょに相撲取草で遊んだともがらや、往時のあれこれの出来事などが思い出されて、茫々の感にとらわれてゆく。何もかもが遠くなってしまった……。この一種のセンチメンタリズムは、私などには好もしい。それはおそらく、夏という季節の持ついわば「滅びの予感」から来るのだと思う。四季のなかでもっとも活性的な夏はまた、同時に滅びへの予感に満ちている。盛夏と言ったりするが、盛夏にはもはや明日はない。盛りの一瞬一瞬は、滅びへの道程だけだ。そしてこの道筋は、私たちの人生のそれにも重なってくる。『船のやうに』(1994)所収。(清水哲男)






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  July 272014

波多野完治

古書店を出でて青葉に染まりたり

者は、御茶ノ水女子大で学長を務めた心理学者。俳句を始めたのは八十歳を過ぎてからで、あとがきには、「生涯教育の時代は、生徒が先生を選べる時代である。だから、ゆっくりさがせば、自分に合った先生は必ず見つかる」と、自身の経験を語っています。一高では小林秀雄と同級だっただけあり、掲句もふくめて句集には、教養主義の香りが所々に立ちこめています。例えば、「青嵐ツァラトゥストラの現れむ」「明け易し老いて読み継ぐ三銃士」「雹(ひさめ)ふりページ小暗き山居かな」「短夜やメルロー・ポンティ終了す」。掲句は作者にとって、学生時代から老齢に至るまで変わらない夏の出来事だったのでしょう。場所はたぶん、神田神保町。旧制高校を経験した世代にとって古書店は、未来の自我に出会える場です。だから、いったん店内に入ったら、書棚の隅から隅まで目を配り、貪欲な嗅覚を発揮して店内を渉猟します。やがて、知的欲求と懐具合とを勘案して、数冊を抱えて店内を出ます。その時、古書店という観念の森に繁る言の葉に置いていた作者の身は、現実の青葉に染まり始めて、夏の最中へと還俗していきました。他に、「草田男の初版に出会ひ炎天下」。『老いのうぶ声』(1997)所収。(小笠原高志)



July 262014

阿部正調

道路鏡の中の百日百日紅

々車で通る道が、ある時百日紅の並木道になった。花が咲いていないときは気づかなかったが真夏、久しぶりに通ってびっくり、どうしてこんな暑苦しい並木道にしようと思ったのだろう、と驚いてから、いや待てよピンクや白の花の房が風に揺れて涼しげだと思う人もいるのかも、と思い直した。そのものに対する記憶が固定概念になっていることは花に限らずある。子どもの頃住んでいた家の前になだれるようにたくさんの百日紅が毎年咲いて、あのやや濃いめのピンクは暑さの象徴だった。いつ見てもたくさん咲いていてついやれやれと思ってしまう。そんな百日紅を夏の間中映し続けるカーブミラーが作者の身近にあるのだろう。来る日も来る日も、丸い凸レンズいっぱいにピンクの花が映っている。本来は死角にあってこのミラーが無ければ目に留まることも無いこの花を親しく思っているか、暑苦しく思っているかは作者の記憶次第だが、百日紅の花はカーブミラーに不思議と似合う。『土地勘』(2014)所収。(今井肖子)


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