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東証暴落、1100円超下げ ITバブル崩壊時以来、過去最大。(哲


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山口誓子

「観入」を説きて熱砂に指を挿し

相観入とはどういうことか。この用語の発案者斎藤茂吉自身であろうとなかろうとどちらでもいいが誰かがその説明をしていて熱砂に指を差し込んだ。実相観入とは子規提唱の「写生」をその筆頭信奉者である茂吉が解釈したもので、視覚的な対象に自己を投入して、自己と対象とが一つになった世界を「写生」の本義とした短歌理論。当時は俳人も多くがこの理論に影響された。見えるものの中に自己を没入させる。その没入の説明がこの指先になるのであろう。一句「ひねる」という俳諧風流の俗の残滓から文学性を拾い上げようとする当時の俳人たちのエネルギーが伝わってくる。『構橋』(1953)所収。(今井 聖)





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  May 232013

金尾梅の門

鏡なすまひる石階をゆく毛虫

桜のころは毛虫が多くて、おちおち桜の木の下で遊べなかった。あの黒くもにゃもにゃした毛虫は今でも桜を食い荒らしているのだろうか。都会では桜並木の下でもあまり毛虫を見ないように思う。掲句、鏡なす昼の光に石段の照り返しが眩しい。何もかも動きを止めたような昼下がり、全身をくねらせながら石段を這ってゆく毛虫にふと目をとめたまま視線がはずせなくなったのだろう。もどかしいぐらいゆっくりした毛虫の動きが時間の長さを読み手に感じさせる。金尾梅の門(かなおうめのかど)古風な俳号を持つこの俳人は大須賀乙字に学んだ富山生まれの俳人だそうだ。『現代俳句全集』(1958)所載。(三宅やよい)



May 222013

伊藤信吉

老いてなお浮雲の愁いおお五月

齢をどんなに重ねても、人の思いは浮雲のように行方定まらないものかと思われる。自分でも齢を重ねるにしたがって、そのあたりのことはますます頷けるような気持ちがしている。若者の愁いにせよ、高齢者の愁いにせよーー人はまともに生きているかぎり、愁いがなくなることはないのかもしれない。信吉は九十五歳で亡くなったが、掲句は亡くなる二年前の作である。「老いてなお」という表現に、作者の深い思いや苛立ちといったものが感じられる。けれども諦念はしていない。「おお五月」という結句に「老い」を易々とは受け入れない、きっぱりとした気持ちが強く感じられて、むしろすがすがしいし、健やかである。私は伊藤さんに頻繁にお会いしたわけではないけれど、飾らず構えない、さっぱりとしたお人柄だった印象が残っている。エッセイでご自分の句を「演歌俳句」と書いたことがある。生前唯一の句集に『断章四十六』がある。1936年〜2003年までの俳句を収めた全句集『たそがれのうた』(2004)があり、掲句はそこに収められている。晩年の句に「上州ぞ吹くぞさびしいぞ空っ風ぞ」がある。上州群馬の人だった。(八木忠栄)


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